出来ちゃった恋愛
おかんが珍しくキレキャラなので、成績のことか夜遊びのことで怒られんのかと思った。



マンションで二人暮しの俺達家族。



おかんは一応それなりに稼いでるらしい。



リビングに行くとパソコンを指差したおかんに冷や汗が出た。



「誰が誰を孕ませた?」

「なんっ…」

「履歴に残ってた」



俺のバカ…。



履歴消しときゃよかった…。



基本、おかんが仕事で使うパソコンだ。



滅多に使わない俺は見事に『中絶費用』という足跡を残してた。



「咲都、まさかあんたじゃないよね?」

「あぁ~…俺っス…」



言い訳できる程頭よくねぇし。



ウソついてバレた時の方が被害がデカそうだ。



「あんたって子はっ!!確か愛ちゃんってひとつ下よね!?」



愛じゃねぇ。



それは俺の彼女で、時間が合わなくてまだ手も出してない。



愛じゃねぇんだ…。



「愛じゃなくて…ユズ…」

「ユズ…?友達の…?」

「一夜の過ちってヤツで…」

「…………」



言葉もないらしい。



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