青騒のフォトグラフ―本日より地味くんは不良の舎弟です―
そうと決まれば早速行動、即行動、有言実行。
俺達は最終決戦になるであろう川岸の廃工場に向かった。
チャリ組の俺等はバイク組と別行動。裏道を使ってなるべく皆に遅れをとらないよう努力した。
ま、途中で合流するつもりなんだけどな。
だってバイクは途中までしか使えないから、結局目的地までは徒歩になるわけだし、最後は皆で目的地に向かおうということで話がついた。
そんな皆に俺は川岸の廃工場前の坂を下った終尾で落ち合おうと提案。
スンナリ受け入れてくれたから、俺はそこで皆と合流するためにヨウをチャリに乗せてペダルを漕いでいた。
不思議と気持ちは落ち着いている。
なんでだろうな、あれだけ喧嘩が嫌だったのに……今だって大嫌いなのに……決着が付き次第、終わると分かっているから?
んにゃ皆と一緒だからだろ、きっと。
赤信号皆で渡れば怖くない。
荒川チーム、皆一緒なら日賀野チームも怖くない、ってな。
俺達の行動を妨害してくる向こう協定の不良チームはいない。
しきりにヨウは目を配っているけれど、向こうも協定チームが尽きているのか、それともたむろ場ですべて駒を使っちまったのか、不良一匹見当たらない。
日賀野達のたむろ場に行くまではあんなに不良が追って来ていたのにな。
俺も周囲に目を配りながら警戒心を募らせるけど、こうも動きがないと拍子抜けする気分だ。
「そういやヨウ。なんで倉庫部屋に閉じ込められたんだ? お前、簡単にヤラれるような奴じゃないだろ?」
「蒸し返すなよ」
ボソボソとヨウは俺に愚痴る。
いやいやいや助けたんだし、これくらい知る権利あるじゃんかよ。
別に咎めてるわけじゃなくて、素朴な疑問からの質問なんだし。
「教えてくれたっていいじゃん」
俺の台詞に唸るヨウだけど、さっきの動揺した後ろめたさか、ぽつぽつと教えてくれた。
「最初はヤマト……突っ掛かってたんだけどよ。
カウンターにいたヤマトを追い詰めようって仕掛けてたら前触れもなしに帆奈美が俺の前に現れて……「私が相手する」とか言い出して。
あいつ、喧嘩できるわけじゃないのにヤマトを庇うように前に出て「ヤマトは行く」なんざ……あれにはヤマト自身もちょい驚いていたみてぇだし。
最初は退くようヤマトが命令をしていたけど、何か思うことがあったんだろうな。
「俺の女だってこと忘れるな」とかヤマト、俺に見せつけるように帆奈美に言いやがって。
そりゃ驚いたっつーか、俺、完全悪者的立ち位置に立ってさ。
うっぜぇこいつ等、とか思って油断したら帆奈美が俺に飛びついて、倉庫部屋に手前ごと体を押し込んで……閉じ込められたという。
で、ヤマトは外側から物でも置いたのか開かないように細工しやがって。
『クソッ、出しやがれ! ヤマトきったねぇぞ!』
扉を開けるよう叩いたり、ぶつかってたりしたら、一緒に閉じ込められた帆奈美がいきなり俺を押し倒してきたんだ。
さすがの俺も人ひとりの体重が弾丸のように飛んでこられちゃ倒れるわけで。見事に転倒した俺に覆い被さってきた帆奈美が……あー。
『ヨウ、私と遊ぶ』
『はあっ?! ざけんなっ、退け、帆奈美! テメェと遊んでるひ――』
――で、あれよあれよなことをして、程なくしてケイが開けてくれましたとさ。チャンチャン……此処までで何か質問は?」
「イエ、ナニモ……てか、そりゃヨウに完全非があるじゃんかよ。油断大敵だぞ。俺に油断するなと言っておいて」