生きたがりの青年と死にたがりの少年

先生は悲しそうな目をした。

「あの子は、私だけに笑うんです。」

「先生にだけですか?」

黙って頷いた。

「他の子供にも、大人にも笑わないんです。しかし、私だけには、色んな話をしてくれるんです。」

それは、先生にとって少しの自慢だった。

「この前、ハイツの二階からから飛び降りて、入院した時、隣の患者さんにパンを貰ったのが美味しかったと、話してくれたんです。」

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