恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*


びっくりして振り向くと、いつの間にかすぐ後ろに立っていた都築くんと目が合った。


「あ……、ごめん。都築くんと交替する時間だったよね」


校門の前に立って校内の説明をする“案内係”と、問題が起きてないかを定期的に確認する“見回り係”。

それを、午前中と午後で交替するのが決まりで、1時過ぎに交替しようって話してたのに……。

とっくにその時間を過ぎている事に気付いて謝ると、都築くんが「いや」って首を振った。


「案内は、そこにいた文化祭実行委員と代わってもらうからいい。

暇そーにしてムダ口叩いてるから」

「え……」

「せっかくここまで準備してきた文化祭が潰れそうになってんのに、

文句言って責任の押し付けしかしねーような“文化祭実行委員”がいるみたいだから」


都築くんが、あたしの陰口を言っていた文化祭実行委員を見ながら言う。



< 160 / 448 >

この作品をシェア

pagetop