恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
話しているのが、文化祭実行委員の人たちだっていうのは、振り向かないでも分かった。
前、生徒会室でもあたしに聞こえるような声で陰口言ってた先輩だ。
黒髪ロングと、茶髪ショートの。
『あーあ。どうするんだろ』
『男に泣きついたりするんじゃない?
得意そうだし』
悔しくて、勝手に呼吸が荒くなる。
でも、言い返してる場合じゃない。
どうにかしなくちゃ。
笑顔で頷いてくれた本宮先輩のためにも、絶対に成功させないと……。
じゃなきゃ、先輩の立場が悪くなる。
とにかく、時間を埋めないとだ。
けど……、
スペシャルゲストとか書いちゃってるし、ある程度納得してもらえるような内容じゃないと……。
頭をフル回転させても、そんな都合のいい事は思いつくハズがなくて。
だけど、それでもどうにかしないとって、考え込んでいた時。
急に影が落ちた。