恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*


「ちょっと待っ……、」

「都築くんを好きな女の子なら、みんなあたしと同じように思ってるに決まってるっ!

だから、思い知らせてやろうと思って、嫌がらせしてたのっ。

だって、いい加減な気持ちで都築くんを騙してる沢村さんが痛い目に遭わないんじゃ、不公平じゃないっ」



佐藤さんは、あたしが二股かけてるって勘違いしてるみたいだった。

けど、反論しようにも、次から次へと怒鳴り声が飛んできて、タイミングを逃す。


興奮してる様子の佐藤さんは、険しい顔のままあたしに近づいて……、手を振り上げた。

手が振り下ろされた瞬間、何をされるのかが分かった。

けど……、よけなかった。


じっと見つめてその時を待っていると、佐藤さんの目に涙が浮かんでる事に気付いて……、そして。

―――パン、という音と一緒にぴりぴりした痛みが頬に走った。


「……いったー」


昨日自分で噛んだ唇。

佐藤さんの爪でもあたったのか、そこから血が滲んだのが鉄っぽい味で分かった。



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