恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*


「確かに今の俺は、どんなに生意気な事言ったって、自分だけの力じゃ何もできない。ただの子供だ。

今こんな事言うのは間違ってるし、無責任だとも思う。

けど、もう離れたくないから言うよ」

「亘……、」

「待っていて欲しい。必ず迎えに行くから。

俺には、彩香に代えられるモノなんかないんだ」


その後のふたりは、本当に映画の中のワンシーンみたいだった。


涙をいっぱい浮かべながらもなんとか微笑んだ彩香さん。

そんな彩香さんに微笑み返した後、優しく抱き寄せた本宮先輩。


雨が降る中、ふたりの持っていた傘が地面に落ちる。


雨なんか気にしないで抱き合ってるふたりの姿を、ずっと見ていた。


キラキラした雨の粒がスローモーションになって、まるで空から祝福みたいだった。



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