それでも好き
「…」


かれんは、目に涙いっぱいにためて、震えていた。


「話せない?」


そう言うと、首をふった。

「実は…」


かれんは、話しずらそうに、途切れ途切れな話した。

「彼氏の家に…遊びにいったの。そしたら、変な匂いがして…。シンナー…だった。でね、あたし、すぐに帰ろうとしたの。怖かったから…。でも、吸わされそうになっ…」


そこまで言うと、かれんは声を殺して泣いてしまった。


それでも、途切れ途切れに話してくれた。


「…。ひっく…でね、怖くて…とっさに、近く…に、あった…カッターを手に…とって、そしたら…殴ろうとして…」


辛そうに話すかれんをみて、俺は泣きそうになった。

「もういい!もう大丈夫だから、安心しろ。」


そう言うと、かれんは声を上げて泣いた。


「明日、俺とその彼氏の家族に会いに行こう。で、帰って二人でゲームしよう?」


その後、俺は警察に全てを話し、正当防衛ということになった。


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