繋ぎたい愛
②:崩

メールに書いてあった携帯番号に、すぐに電話したんだ……。




『もしもし倉元海翔と言うものですが…。七海さんの携帯ですか?』


「海翔…くん?」


『えっ?あっ、はい…。七海?』


「ごめんね。七海の姉の彩花です。海翔くんのことは、よく七海から聞いてたから知ってるの」


『あの……、七海は?』




彩花からの返事はなく、すすり泣く声が受話器から聴こえてくる。


『彩花さん?』


「ご‥めん‥ね。涙っ‥て、たく‥さん泣いても‥溢れて‥くるね‥。七海は‥‥‥‥もういないよ‥死んじゃったよ…………………。」




鼻をすすりながら、途切れ途切れで彩花は言う。
最後の"死んじゃったの"を言うと、彩花は泣き崩れた。
受話器の向こう側で、彩花に話しかける声が聴こえる。


< 16 / 23 >

この作品をシェア

pagetop