先生のバイク

「好き。」


先生は、呆然としていた。
私も、呆然としていた。

思わず、本音を言ってしまった。
・・・どうしよう。

「・・・・・。」



長い間、沈黙が続く。





なんでこんなこといったんだろう??

 
あんだけ、言わないように注意したのに・・・

私はバカだ・・・。



この空気が気まずくて、私が先に口わ開いた。


「せんせっ!なんでもない!! 忘れてください!!

 ・・・さようなら!!!」







私は逃げるようにして帰った。

家まで、だいたい300mぐらいだった。もう少しで家!!

走って、走って、走りまくった。
自分ってこんなに体力があるなんて、思ってもいなかった。




(バタンッッ)
家の扉を勢いよく開いた。
くつを脱いで、自分の部屋に入って、ベットへ飛び込んで、
泣いた。




体の水分が、なくなるんじゃないってぐらい、泣いた。




なんで、あんなこと言ったんだろ・・・。





バカ・・・。



自分のバカ。







なんで、先生は私に話しかけたの?

なんで、先生は私に優しくしたの?

なんで、先生は私を送ってくれたの?



なんで、先生と私は、あそこで出会ったの?






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