車輪の唄
窓の外

1

涙も出なかった。

呆気なく終わった。

私の人生で過去最大の恋は。

告白するんだと意気込んで
朝から綺麗に仕上げた化粧も髪型も
何もかも全て無駄になった。



告白できなかった。



笑顔で私の前に立った上総(かずさ)は
いつもとあまり変わらない上総で
私が言葉を失ってしまったんだ。



「カズの事が好きだ」



このワンフレーズはただ悶々と
私の頭の中を走馬灯のように駆け巡っている。



何のために、今日私は東京へ来たのか??

何のために、今日私は上総に会いにきたのか??


どれだけ探しても答えの見付からない
この二つの疑問の答えは
きっとこの先見つかる事はないんだろう。


事の良し悪しは別にして
好きだともし伝える事が出来ていたなら
この窓の外の銀世界を
私はもっと感情的に見る事が
出来ていたのだろう。

それに追い討ちをかけて
上総は東京よりも遥か北の
北海道へ…地元へ帰って行くと聞いた。

東京なら、まだバンドを続けるなら
少し時間は掛かっても
今までのように会いに行く事が
少しなりとて出来ただろうが
北海道は流石に無理な気がした。
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