HARUKA -衝動の果てに-
歌手
あたしが音楽の世界に興味を持ったのは、小学6年生の夏休み。


なんとなく「楽器ができたらカッコいいかな」なんて思ってギターを親戚から譲ってもらい、始めたのがきっかけ。

その親戚に促され一曲披露すると、予想以上に褒めてくれたので本格的に器具をそろえるようになる。




「って感じです」



目の前には六、七人の面接官。

てか・・・そんな質問要らなくね?



「なるほど。その御親戚は今ごいくつで?」

「たしか・・・27?この近くの会社に勤めてます」



そういうと面接官に何人かが「いいんじゃないか」「つかえそうだな」と相槌を打った。



きっとその彼――秋山 トオルにも芸能界行きの切符を渡そうとしているのだろう。
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