冷女と野獣
「おいアンタ何一人で納得してどっか行くんだよ!?」
そう言い男の大きな手で私の腕を掴んできた。
「別に…ていうか離してよ…
授業遅れちゃうんだけど……」
少しその男が鬱陶しくなってきて私は無意識にイライラ口調で話してしまう。
というか本当に学校遅刻したくないんだけど…
「授業とかんなもんサボればいーじゃんっ
つか俺アンタに話あんだけどさっ!」
「私はない。それじゃあ」
「ちょっと待てって!
ったく話し聞かねー奴だな!
数分で終わるからさっ!」
数分?
数分ていったらもう完璧遅刻だ
馬鹿なのだろうかこの男は。
「数分は無理。数秒でお願い。」
「ええ!ハードル上がった!
…まあいいか、まあ唐突に言うとだな…」
男は歯切れの悪い口調で喋り出した。
途端に握られている手の力が強くなり腕が痛い。
「…っ」
何か言ってやろうと顔を相手の方に向けた途端相手が真剣な声でこう言った。