座敷わらしの恋
10.キリ姉



その日、やはり紫になんだかんだと振り回され、くたくたになって帰ってきた。

日に日に肌が黒くなっていっているなぁ。

それに伴い、少しは体力がついている……と思いたいが、正直筋肉痛が辛くてそれどころではない。


紫をおぶって家に戻ってくると、玄関の辺りがやけに賑やかだった。

誰か客でも来てるんだろうか。


「お客さん?」


背中からするっと降りた紫が俺に尋ねてきたので、「さぁ?」と適当に答える。
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