私のペットは俺様わんこ。
『ご飯いいから寝ろ』



ふわっとあたしの重くなった体が浮く。
くぅちゃんはあたしを肩に担ぎあげる。



「こーゆうときってお姫様抱っこでしょ」


『うるせー姫だな?』


「…うん、」


『して欲しい?』



して欲しい。
けど…いまさら?
わざわざそんな面倒なこと言えないよ。



『迷うな、馬鹿』


「え?」


『してやるよ。そんなことくらい』



スルッと肩からあたしをおろし、お姫様抱っこに抱きかえる。



『直感に従えよ。我慢すんな、迷うな』


「……はい」


『いい子、いい子』
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