君の御影に見た滴
麻が車輪のことを悪く言うのは社会のせい。


仕方がないのかもしれない。


そう思うと、傷を負ってからの方が麻はよっぽど綺麗になったのじゃないだろうか。
 

でも、僕と車輪が一対である限り、麻はもう二度と僕の前で優しい顔も、恋した言葉も投げかけないと思う。
 

麻や社会がどれだけ車輪を悪魔だと、売春婦だと言っても、僕は車輪の一番傍にいる人間なのだ。


すぐにでも異人のような大きな体格を手に入れて車輪を守れる男になりたいのだ。
 

そうだ。


僕はもしかしたら、純血の日本人である自分よりも、もっと力強く見える異国の大男になりたかったのかもしれない。
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