甘くも苦い誘惑に溺れて
「…そっか。痛かったよ~。殴り合いって、結構痛いんだね」
「…あったりめぇだ」
はぁとため息を付くと私に背を向けて歩いて行く彰ちゃん。
「ま、待ってよ~。一緒に帰ろうよ」
「…一人で帰れ」
「もう~。一人で帰ってる途中に、殴られた所が痛んで歩けなくなっちゃったらどうしよう…私、帰れないよ…」
「…知るか。ガキじゃあるめぇし」
バタンと扉を閉めて去って行った。
もう…冷たいんだから。