灰かぶり姫 -spinoff-
待ち合わせ場所は近くの公園だった。


噴水の近くのベンチに腰掛け、美由紀を待った。


ちょうど、木陰になっていて暑さはさほど辛くはない。


蝉の五月蠅い泣き声が自分の緊張して五月蠅い心臓の音とリンクして、美由紀が来た時に無音になるよりはこっちの方がいいだろうなんて考える。


ジっと噴水に目をやりながら美由紀に会ったらまず、何から言おうか考えた。



まずは今までの事を謝る?


それよりも自分の気持ちを伝える方が先か?



そんな事を思っていた矢先、左側から声が聞こえた。



「…雪?」



変わってない。


その声も俺を呼ぶ時の少し戸惑った言い方も。


ゆっくりと声のした方を見れば、ずっとずっと会いたかった人物がそこに居た。
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