屍都市
「雄大君は僕が預かります~」

純から雄大を受け取り、山田が背負う。

純はスコップを手に先頭を。

理子、山田、幸羽が後に続く。

「少し急ぎましょう、嫌な予感がするわ」

小走りに先に進む純。

少し休息をとった分、体はスムーズに動いた。

「……」

そんな彼女達の後に続きながら、山田はふと考えていた。

この音…このサイレン…。

昔に祖父から話を聞いた、戦時中の空襲警報にそっくりだと…。

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