屍都市
しかし、心花の言葉を聞いても自衛隊員達は微動だにしない。

バリケード前に集まった市民達に罵声を浴びせられ、懇願され、命乞いされても何もしない。

できないのだ。

彼ら自衛隊もまた、更に上の人間によってこの任務を命じられている。

彼らが命じられたのは、『市民を外に出さない事』。

決して『市民の命を救う事』ではないのだ。

例えこのバリケードの下で市民達がゾンビの群れに襲われ、生きながらにして食われたとしても、彼らは弾丸の一発も発砲する事が出来ない。

「くっそおぉぉおぉぁあぁぁ!」

心花は悔しさに叫ぶ!

「てめぇらそれでも国を守る兵士か!何の為に訓練してんだぁっ!」

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