シルバーリング
少し歩いた場所にあった
ファーストフード店に入った。
手を洗いに行った彼方くんを
席で待っていた。
「はい!オレンジ!」
後ろから声が聞こえたと思ったら
目の前に置かれたジュース。
「…え?…あ、ありがとう!」
「それで良かった?
さっき好きなジュース、
オレンジ言うてたから…。」
“さっき”……。
確かに歩いてる時に聞かれた。
「全然大丈夫!
なんだけど…、お金、払うよ。」
「お金、ええって!
こんぐらいさせて(笑)」
苦笑いをしながら答える彼方くん。
あたしの中では申し訳ない気持ちで
いっぱいだった。
