とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
ガクはカウンターで客と話しながらドリンクを作っていた。
俺はグラスを洗いながら居なくなった女の事を考えていた。
ふとDJが目に入った。
アイツにしたら…サブローの事故は好都合だったはず。
あれは昴がガク側のメンバーを監視するスパイと考えて間違いない。
これもヤツらの作戦のうち…
すでにシナリオが出来上がっているのか…
そのシナリオを作り上げたのはロレイ…?
いや、不自然すぎる。
やはり潤の言うように“裏”がある気がする。
…あのDJを監視しといた方が良さそうだ。
どこからか「黒崎先輩!」と言う声が聞こえて我に返った。
「よぉ!来たのか。」
「はい!…そういえば会いましたよ、黒崎先輩にやられたヤツら!」
後輩はクスクス笑いながら言った。
「大人しくなってたか?」
「なんか気持ち悪いくらい大人しくなってましたよ。」
それを聞いてつい笑ってしまった。
「そうだ。お前あのDJ知ってるか?」
「…どっかで見たような…
すみません、思い出せません…」
最近ここで回すようになったからsevenのヤツだと思ったが違うのか?
そこにガクがオーダーを持って来た。
「“ご指名”だ。」
「は?そんなサービスあんのか?
いかがわしいな、この店…」
「クク…この前お前のダチが引っ掛けた女だぜ?」
カウンターに座る女を親指で差した。
…はぁ…アレか…
「指名料出すから行って来い。」
ガクは俺のケツを叩くと後輩と話し出した。
「へいへい…行きますよ、ボス」