とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
さっき居た段差に戻るとそっと忍を下ろした。
「びっくりした…途中でセリに目隠しされて、
気付いたらコレだもん!」
「ククク…俺も驚いた。
何か企んでるのは知ってたんだけどな…」
二人で笑い合っていると潤が小さな箱を持って俺の前で開けた。
「忘れるとこだった。」
その小さな箱から指輪を手に取るとちょっと首を傾げて忍を見た。
「姫、どの指に致しますか?」
「フフ…薬指にお願いします。」
そう言って忍は左手を俺に差し出した。
「コレは予約の印。
将来、ここに俺がエンゲージリングをはめるから…」
「右京…」
忍は潤んだ瞳で今日一番の笑顔を見せた。
終始止まない歓声の中、ガクが声を張り上げた。
「よーし!!始めるぞー!!」
DJが「OK!」と言うと部屋が少し暗くなっていつもの雰囲気に戻った。
忍はセリ達に囲まれ楽しそうに笑った。
「お前はあっちな?」
ガクはカウンターを指差された。
「…バーテンやれって事か?」
俺はため息を付きながら上着を脱ぐと、カウンター内に入った。
「右京~喉乾いた~」
「へいへい…只今お作りしますよ…」
そう言ってシェイカーを振って次々にカクテルを作った。