とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
忍がドレスの裾を気にしながら俺の方に歩いて来るのが見えた。
…やっぱり俺の女神だ…
俺はフラリとカウンターから出ると上着を手に取りガクを振り返った。
「…ちょっと外す。」
「あぁ…、しっかりな。」
心強いガクの一言に頷いて忍に腕を伸ばした。
「おいで、忍…」
ちょっと頬を染めた忍は俺の腕を取ったのを確認すると、忍の歩幅に合わせて歩き出した。
「ドレス歩き辛そうだな…」
「うん…実はすごく…
こんなタイトなロングドレス初めて着たし…」
「…いつでも脱がしてやるぜ?」
「なっ!?…バカじゃないの!?」
俺の冗談に本気で怒ると、忍は裾を踏んで転びそうになった。
「…危なっかしいな…」
「しっ…仕方ないでしょ!?慣れてないんだから…」
俺は溜め息を吐いて忍を肩に担いだ。
「ちょっと!怖い!高い!」
「…大人しくしてろ。」
そのまま外に出ると外階段から屋上に上がった。
忍をそっと下ろすと上着の胸ポケットからチーフを抜き取って下に敷いた。
「姫、どーぞ。」
「フフ…ありがと。」
忍は俺の手を取りながらゆっくり座ると、夜風にぶるっと身震いした。
手を持っていた上着を忍の肩に掛けてから俺も隣に座った。