とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
2年の模擬店で焼きそばを購入してから俺達はバスケコートに向かった。
「忍、参加してみたら?」
「右京は?球技苦手なんだっけ?」
「得意ではないな。でも忍がやるなら俺もやる。」
「じゃああとひとり!」
「寛二行って来いよ。クミにいいとこ見せるチャンスじゃん。」
「俺かよ!超インドア派なの知ってんだろ!?
そう言う陸が行けよ!」
「だぁ~うだうだうるせー!
陸でいいから!」
女の前で鈍くさい醜態を晒したくないらしい2人を一喝して、陸の首根っこを猫の如く掴んでコートに向かった。
橋本は後輩2人とチームを組み、「かかって来い!」と挑戦的な態度でこっちを見た。
「…得意種目だと人格変わるな…あいつ…」
「生意気だ。
忍。ボール回すからバシバシ決めろよ?」
「頑張る!」
いつになくやる気の忍の頭をポンポンと軽く叩くと笑った。
「よし、やろうぜ!」
華麗なドリブルで切り込んで来る橋本を陸がマークする。
相手を見ずに後輩に橋本はパスを出した。
俺はその後輩が放ったシュートが外れたのを見て、長身を生かしてリバウンドを取った。
歓声が上がって思いの外ギャラリーが多い事に気付いた。
陸にパスを回したがガッチリと後輩がダブルチームで立ちふさがった。
小さく舌打ちして陸は忍にパスを出した。
橋本は忍に覆い被さる様にガード…
忍は柔らかい動きでフェイントをかけながら橋本をかわして外側からロングシュートを放った。
吸い込まれるように決まるゴールにセリ達が飛び跳ねて喜んだ。
ハイタッチを交わす俺達を見て橋本は一瞬悔しそうな顔をした。