とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
自分の部屋まで来ると忍を下ろして包み紙を渡した。
「え?プレゼント?」
「ん~...これはおまけ。開けて。」
中から1本のリボンが出てきて忍は首を傾げた。
「リボン?」
「そ。貸して、こーするの。」
俺はリボンで忍に目隠しをした。
そのまま立たせて手を引く。
「なに!?どこに連れて行く気?」
「秘密」
俺はベランダに出ると、忍を抱き上げた。
「掴まってて。」
跳躍して屋根に上がると風を纏い始めた。
忍がぎゅっと俺の首に回した腕に力を込めたのに気付いて笑みがこぼれた。
「右京…まだ?」
「ま~だ」
漆黒の翼を少し羽ばたかせて上昇した。
しばらく飛ぶと、繁華街の駅ビルの上に舞い降りた。
そっと忍を下ろして「いいよ」と言うと、忍は目隠しのリボンを外した。
「凄い…凄い綺麗!!」
眼下に広がるクリスマスのイルミネーションに忍は目を奪われた。
そして「凄い」を連発して大きな瞳を更に大きく見開きながら俺に飛び付いた。
「気に入った?」
「もちろん!」
「本当に見せたいのはこれじゃないんだ。」
忍の腰を抱くとそのまま真上に上昇すると、200mくらい上がった所で止まった。
「忍!見て!」
俺にしがみつきながら恐る恐る目を開く忍は言葉にならない声を上げた。
「綺麗だろ?上も下もだ!」
「ほんと…こんな景色見たことない!」
上には満天の星、足元には街の夜景…
どこを見てもキラキラと輝きで溢れていた。