【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
出てきた醤油ラーメンは、舌に馴染む味。



安心するというか、やっぱり、この間のヤスと食べた高級なディナーより、こっちの方がいいと思う味だと思う。



「ねえ飛鳥ちゃん、何故ヤスのためにここまでするの?ヤスが好き?」



「右京さんにも聞かれました。答えは微妙、です。限りなく嫌い寄りなんですけど。」



そう言ってズズッとラーメンをするると、社長はやっぱり妖艶な顔で微笑む。



「そう。ヤスを愛してるとはっきり言ったら話さないつもりだったのに。」



…何気にこの人非道だ。私は約束を守って撮影したのに、返事によっちゃ話さないつもりだったなんて。
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