【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
煙草に手を伸ばした滝本ヒデロウのその煙草に、俺はライターで火を点ける。



そして、耳元で囁いた。



「煙草吸い過ぎてそのまま死ねよ、とーおさん。」



「やっぱり、お前…!」



捨てた息子とはいえ、一応覚えていたらしい。



「いつ、ばらそうか?ねえ、いつ責められたい?いつ、不幸の沼へ引きずり落とされたい?」



煙草を口に含む気配のない滝本ヒデロウの手から、するり、と煙草を奪い取る。



口に含むと、ロングピースだったせいでタールが多く、身体に合わない。


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