【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
「あんたはさ、歌に両親への憎しみなんか、込めちゃいないよ。本当は、誰かに助けてほしい、愛してほしいって気持ちを詰めて、泣いてるんだよ。」



「…………違う!」



私の言葉に、ヤスは否定の言葉を返す。



だけど、私は怖くないよ。



「違わない。それに、あんたの声、届いてんじゃん。あの日、ゲリラライブで初めて歌声を聴いたあの日から、確かに私には届いたよ。」



今のヤスには、少し恥ずかしいような本音も、全てはっきり言わないと伝わらない。



そう思った私は出来るだけ穏やかに、気持ちを伝える。
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