【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
「えー!すごい!ホントに一緒に行っていいの?」



学校に着いて香織を誘った途端、目をキラキラ輝かせて来る。



「うん。だから誘ってるんじゃん。」



私はそんな香織に、なんだか笑いが込み上げる。



チケットは、兄貴が芸能関係の仕事をしているから…と上手く理由を付けて入手したことを言った。



「飛鳥ってさ、最近、よく笑うようになったよね。冷めてるとこは変わらないけどさー。」



「そ?こんなもんじゃない?」



だけど、まあ、うん。前より、本当に心から、笑えてる気がする。
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