【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!



翌日。せっかくの休みだというのに、私は朝から兄貴の車に揺られてどこかへ連れて行かれている。


衣装が乗っているからと、私は助手席に乗せられ、ヤスだけ後ろで寝ている。



「ねえ兄貴、あんた、なんであんな悪魔に妹が使われようとしてるのを止めないの?」



私は嫌味たっぷりに兄貴に尋ねてみる。



すると、兄貴は苦笑いでこう言った。



「ヤスが何を言おうと、一度決めたことを曲げない奴だって知ってるから、かな。」



兄貴が言っていることは正しい。正しいだけに、腹立たしく思う。
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