君が教えてくれたこと
「何、やってんのぉ?」
真由美に急に声を掛けられ、ビックリして、咄嗟に由梨の手を離した。
「べっ別に、何もしてないよ」
恥ずかしくなり、下手糞に誤魔化した。
「さぁ皆!売店でお菓子買って来たから、食べましょう!」
折越さんが、買って来た物をテーブルに並べた。
「こんにちは」
飲食スペースで一人、食事をしている小さな女の子に、由梨は近付き声を掛けた。
「こんにちは!」
小学生だろうか・・
二年生くらいに見える。

声を掛けられたことが、嬉しかったのか、女の子の表情が、一瞬にして明るくなった。
「一緒に食べよう」

「うん!」

「お名前は?」

「唯って言います」

「宜しくね。唯ちゃん」
病気一つ感じない明るい唯ちゃんの姿に、由梨や僕達は、沢山の元気を貰っていた。

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