君が教えてくれたこと
・・六年後

「北山~!」

この声はと、すぐに分かった。

「岡田?!」

「おー、北山!太った?!」

「いきなりかよ!岡田は変わんねぇーな」

「俺は、変わんねぇーよ!北山、いくつになった?」

「同級生だろ。歳、一緒だよ」

「そっか、そうだ、紹介したい人が居るんだ」

「えっ?」

岡田の後ろに、折越さんが立っていた。

「折越さん?」

折越さんの腕には、赤ちゃんが抱かれていた。

「嘘ぉ?!お前等??」
岡田と折越さんは、卒業後も順調に交際を続け、結婚。
今年、子供を授かった。
「聞いてないぞ?!」

「北村には、言ってないもん」

「なんで言わねーんだよ」

「別にいいよな、由梨ちゃん」

「由梨?」

「渡辺さんから名前貰ったんだ」

「由梨のお母さんにお願いしてね」


「そっかぁ、由梨ちゃんか。初めまして」
僕が、小さな由梨ちゃんの手に指を差し出すと、小さな手で、僕の手を強く握ってくれた。
「痛ぇー!!」

大きな声が、響いた。
「また、彼奴等・・」


「幸太郎!真由美!」

折越さんが、手を振って呼ぶと、二人は元気良く走って来た。
「お前等も、本当、変わんねぇーな」

岡田が、飽きれて言うのも分かる。
二人は、卒業してからも、付き合ったり別れたりの繰り返しで腐れ縁って奴だった。
「よーし、これで全員揃ったな」


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