君が教えてくれたこと
僕達は、由梨の家の前に集まっていた。
「もう、卒業して六年経つんだな」

「あぁ。俺達が出会ってから、来年で十年だ」

「なんか、緊張するな」

「なんでだよ」
「じゃあ、鳴らすよ」

「おう!」
「あっ、花ある?」

「持ってるよ」
「お供え物は?」

「あっ、私もってる!」
「今、何時?」

「十五時くらいじゃない?」
「なんか、緊張して腹減って来た」

「あっ、お菓子持ってるよ」

「それ、由梨のお供え物だって!」
「もーうるさい!!」

「ごめん・・」
「じゃあ、鳴らします」
僕は、ゆっくり目を閉じて深呼吸をした。
あの頃の由梨に、また会える。
僕が、またゆっくり目を開けると、折越さんが代表して、由梨の家のインターホンを鳴らした。


< 41 / 41 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

沈黙

総文字数/8,503

ミステリー・サスペンス15ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
もし、 あの日の過ちを。 あの時、犯した罪を。 ほんのひと息、 忘れることが出来たなら・・ 僕は、 あの頃のように、 上手に笑えているだろうか。
KANKERI

総文字数/17,771

ファンタジー26ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
子供の頃、 誰もが遊んだあのゲーム・・

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop