爽やか王子と内気少女…その後は?
胸の中で、沸騰するようなフツフツとする気持ちを抑える為、
深呼吸を一回…二回…三回する。
影から渡辺を見れば、
渡辺はその場に留まったままだ。
左手で頭をガシガシとかいている。
影から出て、渡辺の目の前に出ると、床を見ていた渡辺は俺に気がついて顔を上げる。
「……っ!!」
ゆっくり上がった渡辺の顔に驚いて、俺は目を見開いて、言葉にならない声を出す。
渡辺の顔は……真っ赤な頬、熱を持った揺らいだ目、少し切ない表情……
それはまるで…………
「なあ、裕介……
俺、カオリンが好きだ…
あの子は俺を俺としてちゃんと見てくれる…」
なんて事だろう……
俺の友達が……幸せになって欲しいと願ってた友達が……
俺の彼女を好きになった。