先生あのね・・・


席に着くと山川さん達数人に囲まれた。

「なんで、あなたは停学だけなの?」

「先生はあなたのせいで
この学校にいなくなったのよ?」

「あなたがいなくなれば良かったのに・・」


その子たちは口々にそう告げた。





「そう・・・
いなくなってしまったんだ・・」

私は力なく呟いた。



「あなた知らなかったの?」

山川さんは私がその事実を知らなかった事に驚いて聞き返したが

俯いたまま何も返事しなかった。




「そんな大事な事も知らせてもらえないなんて愛想を尽かされたんじゃないの?」



山川さん達は私を見下す様にして
笑いながらどこかへ行ってしまった。




私は暫くの間ただ俯いていた。




・・・どうして何も
  教えてくれなかったの?・・


           



私は携帯電話を取り出し
先生に電話をかけた。



しかし

コール音が鳴ることはなく
解約された事を告げるアナウンスだけが流れていた。





私は大きく目を見開き

耳に当てていた携帯電話は手からすべり落ちた。




マユはその様子を見て駆け寄ってきたが

私は立ちあがり教室を飛び出した。
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