私がマフィアのボスになる日
私がデジカメで撮ってるのは中古のブランド品だ。


芦屋にはお金持ちが多いこともあって、見栄を気にする人がたくさんいる。そして流行り物を買えば、古い物はいらなくなる。


お金持ちの中には自分でネットオークションに出品するのを面倒だと思う人もいるし、年配の人とかはパソコンが得意でなかったり、質屋に持っていくのを恥ずかしいと思ったりするみたいで、そんな人達の代わりに私達が出品から梱包までやってあげるのだ。


ジンサがOB達に協力してもらい、口コミでブランド物の出品代行を広めたみたい。


ネットオークションに出品するブランド物は、落札された金額から送料や段ボール代等を引いて、残ったお金の8割を持ち主にお返しして2割を私達がもらう約束になっている。


アクセサリー・時計・バッグと、なんでも有りだ。


たまにオークションに出す前にOBが買い取ってくれる時もある。


カナ姫は夏休みに入ってからオークションが忙しいのか、アジトにお泊まりしてばかりだ。


ん?待てよ。



「カナ姫。このアジトってお泊りする時どこで寝るの?」


「この部屋よ。」


「え~、一人で怖くない?」


「平気平気。ジンサが居る時もあるし、それに日曜日の深夜しか来ないOBとかもいて、楽しい昔話を聞かせてもらえるのよ。」


「なんか楽しそう!私もお泊りしたいなぁ。カナ姫は家族にはなんて言って泊まるの?」


「何にも言わないし、何も聞かれないよ。」


「えっ、親とか心配しないの?」


「うちの家族ちょっと普通じゃないんだ。」


カナ姫は笑顔のままそんな事をいう。


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