私がマフィアのボスになる日
ジンサはお酒を用意するって言ってたが、普通の店だとまず売ってくれないだろう。

どうやって調達してくるのかと考えたが、カナ姫が教えてくれた。

「ん~とね。マフィアのOBにはコンビニでバイトしてる人や、酒屋さんで働いてる人がいるから、未成年って分かってても売ってくれるんだよ。」

そういう事ね。十年以上活動してる組織なら人脈も多い事だろう。

「お酒ね~。前にビールを一口飲んだんだけど苦くて、不味かったなぁ。」

「アキーニョスは甘党だからビールじゃなく、酎ハイとかカクテルの方が飲みやすいと思うよ。ワインなら甘めの貴腐ワインとかだね。」

カナ姫の色んな酒の味を知ってるような言動に驚いた。


「じゃあ今度、姫のオススメを試してみようかな。ユカチンはお酒飲める・・・訳ないか。」

「俺こう見えて結構酒強いし、酒豪だし。」

と、胸を反らしてドヤ顔のユカチン。

「はいはい。あんたは自分のツバでも飲んで酔っ払っときなさいよ。」


「ひでぇー。」


雑談を終わらせ、ジンサから言われていたもう一つの仕事に取り掛かる。

2階の普段使ってない方の部屋は6畳ほどで、真ん中に麻雀の全自動卓がある。

四つの椅子は高そうな皮張りで、社長とかが座ってそうなやつだ。

椅子のすぐ横には、それぞれ灰皿付きのちょっとしたテーブルがついている。

あとは本棚と観戦用のソファーが置いてあるぐらいで、掃除は楽そうだ。

因みに私は麻雀のルールがよくわからない。そのうちジンサに教えてもらうつもり。


一通り拭き掃除し終わってから、カナ姫のいる部屋に戻ってジンサが帰ってくるまでノンビリ待つ。


こっちの部屋にはテーブルにパソコンが二台置いてあり、一つはカナ姫専用のピンク色のデスクトップで、もう一つはみんなで使うノートパソコンだ。

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