マリア教会
オークッドの街は普段は穏やかで犯罪も少ないが、ごくたまに大きな事件が起きる。
そして今日は、銀行が強盗に攻められ現金を奪われた。
「早く車出せ!」
奪った金を車に詰め込み、けたたましい警報機の音を聞きながら男は仲間の運転手に叫ぶ。
運転手はすぐに車を発進させてあとはアジトに帰るだけだが、前方の人影に気付きスピードを緩めた。
「おい、道の真ん中に誰か立ってるぞ!」
「はあ?」
見ると、真っ白なスーツにコートを羽織った少女だった。腰には剣を差している。
「構わねえ!ぶっ飛ばせ!」
あの格好には見覚えがあるが、運転手は言われた通りアクセルを思いっきり踏み込んだ。
少女との距離がどんどん近くなっていくが、少女は身じろぎもせず、やがてゆっくりと腰の剣を抜いた。