禁断の恋はじめます
秘密と真実の間で
帰りの汽車の中で ママが

「朱奈は…聞いちゃったんでしょ?」
と言った。


「え…?何を?」
私はドキドキしてきた。


「啓吾のことよ……」
ママがため息をついた。



「おばさんたちトイレで
啓吾の話してたんでしょ?
あとでそこにいた先客が朱奈だって
気づいたらしいの……
ごめんね…ビックリしたでしょ?」



私は涙が溢れてきた。



「啓吾が私のおにいちゃんじゃないって…」



「うん。啓吾はパパとママの親友の子。
二人は愛し合って啓吾が生まれた時
すごく幸せそうだったわ……。
啓吾のママはしょっちゅう家に来て
啓吾と一緒にお腹の中の
朱奈に声をかけていたわ。」



「なんて?」


「けいちゃんのお友達
早く産まれてきて~~って
啓吾も小さな手のひらを…ママのお腹に
ペタ…ペタ…ってくっつけていた……」


ママはハンカチで目をおさえた。


「啓吾と朱奈は幼なじみになるはずだった。」



ママの涙が指から落ちた。


啓吾の両親に悲運な人生が訪れたのは
それから少ししてからだった。
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