禁断の恋はじめます
勇樹の病室は個室だった。


手術を受けて
勇樹は眠っている。


私は我に返って
啓吾に電話をした。
試合は午後からだと言っていた。


携帯には不在着信が29件
メールは15件になっていた。


「おまえ何してんだよ!!心配したんだぞ!!」


出た瞬間啓吾が発狂した。


「ゴメン…あの…どうしよう…」



「どうしたんだ?」
啓吾の声はまだ大きくて怒ってる。



「勇樹が…勇樹がね…
ケガして…私のせいで…どうしよう…」

嗚咽が混じってうまく
話せない。



「何?先輩が何?」


「犬に襲われそうになったとこを
助けてくれて……
そしたら犬に噛まれて……
大けがしちゃった……」



「え・・・・・?
マジに?」


「ごめんね…試合には出れない…
今手術が終わって眠ってるの……
ゴメンネ…迷惑かけて……ヒック…ヒック…」



それだけ伝えて
私は電話を切った。
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