禁断の恋はじめます
啓吾たちの年代が上に上がるたびに
報道はエスカレートしていった。


とうとう準決勝に上がると
嬉しいことに中継が見られるようになった。


私たちは大喜び


遅い時間のキックオフに三人でテレビにかじりついた。


啓吾はスタメンで出ていて
君が代を歌う啓吾はめちゃめちゃ
カッコよくて


「いい男だね~~」とママがいった。



  ほんと…素敵


私は心臓がキュンとした。


実況解説が啓吾のことを
ほめたたえていた。


これから日本を背負う人材って


そんな大きな言葉は
私たちを喜ばせる半面
不安にさせる


啓吾に張られていた
結界がどうか…壊れないように


ゴールを決めてピッチを走り回って
喜ぶ啓吾を
複雑な気持ちで見ていた。



私たちだけの啓吾じゃなくなる日が
近づいている。
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