禁断の恋はじめます
「啓吾さ…スゲー成長したよな。」

帰り道 勇樹がつぶやいた。


「惜しかったけどね……。」


「プレイだけじゃなくてさ…
あ~やって仲間を想うとことか
前はどっちかと言うとなかったよ。」


「あはは……
啓吾はそうかも……。
その時は悔しくて仕方ないから
そんな余裕なんかないんだよね。」



「いいな…啓吾
いい経験していい成長してる……。
まだまだ先があるよ。」


「勇樹?」
勇樹の寂しそうな声に私は申し訳なくなった。


「ゴメン…違うんだって
朱奈のことじゃないよ。
もしあそこに俺がいたって啓吾みたいには
なれなかったんだろうなって
自分の力不足感じてさ~」


そう言うと寂しそうに笑った。


「勇樹……。」

あまりにたよりない後姿に
私は一目をはばからず後から
勇樹を抱きしめた。
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