禁断の恋はじめます
あれから前田から連絡はこなかった。
もしかしたら口だけかもしれない
そうすがりたかった両親は
なかなか啓吾に言いだせずにいる。
そんなことをしてるうちに



季節は足早に通り過ぎてサッカーも
とうとう終わりの季節にさしかかり
その大会で惜しくも啓吾たちは負けてしまった。


お正月の全国大会にあともう一歩
学校あげて応援に行った。
うちの学校の取材はすごかった。


  『未来の日本代表選手』


  『池端の華麗なプレイ』


「さすが有名人がいると違うよな~」
誰もが扱いにそう言った。


でも啓吾のプレイを見たら
みんなが一気に引き込まれていくのがわかる。


啓吾のプレイはそれだけ魅力的で
最初はブツブツ言っていた男子たちも
声をあげて応援した。



しかし同点で迎えた後半終了間際
体を張ったDFがファールを決められて
PKで逆転されてしまった。


相手は啓吾を二人でマークし続けて
それでも飛び出してボールをとるけれど
結局邪魔されて得点はできず……


啓吾のイライラはピークに達してきたけど
結局そのままで試合は終わってしまった。


啓吾は悔しそうに空を仰いだけど
泣かなかった。
PKをとられて責任を感じているDFの
ところに駆け寄って肩を抱いた。


  啓吾…めっちゃカッコイイよ……


私の胸はそう叫んでいる。
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