禁断の恋はじめます
下の部屋が騒がしかった。


「啓吾 どうしてそんなこと言うの?」

ママの声が泣いていた。


「もう決めたから…ごめんな。
かあ…ちゃん…ってしか呼名ないから…」


「かあちゃんでいいでしょ!?
私たちはあなたを失いたくない。
ずっとずっと自分の子供だと思ってきた。
啓吾のおかげでどんなに楽しかったか……。
だからそんな風に距離を作らないで……
私たちは啓吾を…失いたくないの……。」


私は恐る恐る階段を降りて耳をすました。


「啓吾 ママのいうとおりだぞ。
おまえは俺たちの子供なんだ。」



啓吾の嗚咽が聞こえてきた。


「すみません…図々しく…あたりまに
ここの家族だと思いこんで・・・・
お世話かけて……ごめんなさい・・・・・・。」


「啓吾そんな言い方やめなさい。」
パパの声も震えている。

私も涙が出てきた。
啓吾が泣いている……。


啓吾が…家族をやめるって言った……。
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