禁断の恋はじめます
それからしばらくして
突然啓吾が姿を消した。

一枚の書き置きを残して

『今まで俺に注いでくれた愛情に
感謝してます。
どうか俺を探さないでください。
ここで暮らしてきた啓吾を
ずっと家族だと思って……。
俺はなんとかやっていきます。
だから絶対に探さないで…
そしたらいつかきっとまた
会えるから…。
俺はみんなの思い出の中だけで
生きて行きたいから…。
ありがとう何万回言っても足りない。
本当にありがとう。』


ママは泣き暮らした。
パパも部屋にこもることが多くなった。


四人で囲んだ食卓が
今は無口になった三人が
別々に座った。


啓吾の存在は太陽だった。

啓吾がいなくなって
私は啓吾の変わりに
なれないことを痛感した。


四人の気持ちが
啓吾を失って離なれていく…。


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