禁断の恋はじめます
電話をきってこのおばさんは
啓吾のどういう関係の人なんだろう
そう考えていた。


しばらく向かい側の小さな公園の
ベンチに座って その家を見ていた。


真っ赤な車が車庫から
外に出てきて


中から派手な色のスーツを来た
サングラスをかけた髪の毛はクルクルと巻き毛の
女の人が出てきた。


一度玄関から家に入って
黒い鞄を持って 車に乗り込んだ。


 さっきのおばさんかな……

それなら…すごい派手な人だなと
赤い車が走り去るのを見ていた。



啓吾とどういう関係なんだろう。


深呼吸をして 啓吾の携帯に
連絡をしたけど電話には出なかった。


医師が早急にと言うくらいだから
啓吾の状態はあまり
よくないことは


私にはわかっていた。


痩せた体
落ちくぼんだ鋭い目……
私が知っている啓吾じゃなかった。


家族を捨てたあの日から…
啓吾はどうやって生きてきたんだろう。
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