禁断の恋はじめます
「どうして?」


「別れたの。」


「は?だってかーちゃんに挨拶
来たんだろう?」


「私がわがまま言ったから。
勇樹を怒らせちゃった。」



「すぐに謝って来い。
俺の知ってる先輩はそんなに
人を怒る人じゃないぞ。
よっぽど怒らせたんだな。」


「いいよ。勇樹のことは。」


「いくないよ。俺には時間ないんだ。
朱奈の幸せな顔を
見てから逝きたいんだ。」


朱奈は顔色を変えた。


「やめて そんなこと言わないでよ。
やっと会えたのに……。」



「あ…ごめん朱奈……。」



「もう寝てなさい。」


俺の顔がかくれるくらい
布団をかけた。


「ん~~~苦しいよ朱奈~~」


朱奈が覆いかぶさっている。


「啓吾のバカ……。」


あの頃…こうして
親の目を盗んで……。
朱奈との切ない思い出がよみがえってきた。


俺は首を振った。


朱奈への想いは
もう封印した。
あの頃 必死に朱奈を
忘れようとあがいていた……。
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