禁断の恋はじめます
 ドッキ~~ン


私の心臓はときめいた。


なんでもない行為なのに
啓吾に触れられるだけで
心臓が早くなる。


  からだがもたないよ……


「い…いたぁ~!!」


わざとに大げさに騒いだ。



「暴力男は彼女に嫌われるよ。」


ついつい出た言葉に
啓吾が反応した。


「何?」


「別に……」



私は啓吾から逃げるように
もうひとつ林檎を持って
階段を登った。



「待て~~」


啓吾が後から追いかけてきた。



「キャ~!!!
ママ~~~!!助けて~~~え!!!」



「こら~~階段が壊れるよ~
まったくいくつになっても
幼いんだから。」


ママが大きな声で叫んだ。


 違うよ…ママ


もう幼いんじゃない
私は大人になりつつあるよ…


好きになっちゃダメな人も
わかってるから……


気持ちをごまかして
禁断の恋を断ち切ろうと
必死になってる。


 エライね…って褒めてくれる?
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