いじめ。―story―



鈍感だったら幸せだった。
人の辛さとか…分からない人間だったら良かった。





そのほうが…幸せじゃん。






「あたし、怒って…ないよ。あたしが全部悪いから…独りで戦う。強くなる…だから、強くなった時はまた、友達に戻ってくれる…?」





―っ。




あたしは走って教室を出た。





…何言ってんの?
繭…あたしがバラしたこと知ってるのに。





怒ってないなんて。



それに…強くなったらまた友達に…なんて。
そんな…





どうして…






「あたし…あんたを裏切ったのに」




あたしは…床に水玉模様を描いた。




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